商標法第五十四条

商標法第五十四条は、商標登録の取消しの審判の取消審決確定の効果、即ち、商標権消滅の時期を定めています。

第一項

商標登録に対する取消審決が確定すると、商標権は、その後消滅します。
ただし、例外的に、商標法第五十条第一項の審判、即ち、不使用取消審判は、第二項にあるように、この限りではありません。
なお、商標法第四十六条の無効審判や商標法第四十三条の二の登録異議申立てにより、無効・取り消された場合は、商標権は原則として初めから存在しなかったものとみなされます。
具体的な条文は以下の通りです。

「商標登録を取り消すべき旨の審決が確定したときは、商標権は、その後消滅する。 」

第二項

第二項では、上述しましたように、不使用取消審判における取消審決が確定した場合には、当該商標権は、当該審判請求の登録日に遡って消滅したものとみなされます。これは、不使用取消審判によって取り消された商標権に基づいて、不使用取消審判請求登録日から取消審決確定日までの間について損害賠償請求等がなされないようにするためです。
具体的な条文は以下の通りです。

「前項の規定にかかわらず、第五十条第一項の審判により商標登録を取り消すべき旨の審決が確定したときは、商標権は、同項の審判の請求の登録の日に消滅したものとみなす。 」