商標登録出願の手続方法

商標登録をするためには、まず、特許庁に商標登録出願という手続を行ないます。
商標登録出願は、単に”商標出願”とか”商標申請”などと呼ばれることもありますが、「商標登録願」という願書を特許庁に提出する手続です。
そして、商標登録願を特許庁に提出すると、その後、出願した商標は特許庁で審査され、審査に合格して所定の商標登録料を特許庁に納めると商標登録される、という流れになります。

ここで、商標登録出願、すなわち商標登録願の特許庁への提出方法は、
1.商標登録願を書面で特許庁の窓口に持参して提出する方法
2.商標登録願を書面で特許庁に郵送して提出する方法
3.商標登録願をインターネットで特許庁に提出する方法
の3種類があります。

上記1.と2.の書面で窓口に持参と、書面で郵送の方法は、”書面手続”と呼ばれることもあります。
3.は”オンライン手続”です。

以下では、書面手続とオンライン手続のメリット・デメリットをご紹介します。

オンライン手続(インターネット出願)

弁理士が商標出願の手続(特許出願なども同様)を行う場合は、ほとんどがオンラインで手続を行うと思われます。(まれに、弁理士でも書面手続を行なっているということも聞くことがありますが。)

オンライン手続のメリット

・何といっても、事務所のパソコンで商標出願の手続を行うことができる簡便性です。特許庁に出向く必要がなく、郵送の手続をする必要もありません。

・手続内容にもよりますが、少なくとも商標登録出願の場合、オンラインで手続を行なえば、365日24時間受け付けてもらえます。(ちなみに、本稿は12月25日に執筆していますが、間近に控える年末年始期間で気にせず商標出願の手続を行うことが可能です。)

オンライン手続のデメリット

・オンラインで特許庁に手続を行う場合、それなりの環境を整える必要があります。
ここで言う”環境”とは、まず1つは、専用の「インターネット出願ソフト」を入手する必要があります。
インターネット出願ソフトは無料でダウンロードできますので、料金はかかりませんが、若干のダウンロード作業が必要であったり、ソフトの使用方法を学ぶ必要があります。
また、インターネット出願ソフトを使用するにあたり、「電子証明書」も必要です。電子証明書の入手は、手続が厳格であるため、やや面倒かもしれません。

書面手続

インターネット出願ソフトを利用していると、書面手続のメリットは無いように思われますが、一応、次のようなメリットがあるとも考えられます。

書面手続のメリット

・専用のソフトや電子証明書が必要ないため、弁理士ではない方が商標出願の手続をする場合は利用しやすい手続方法といえます。
例えば、商標登録願に掲載する”商標見本”(商標登録を受けたい商標)は、書面でも所定のサイズにする必要があるなど制約はありますが、オンライン手続の場合はより厳格にファイルの形式や画像サイズが決められていて慣れていないとやや難しいかもしれません。

書面手続のデメリット

基本的には、オンライン手続のメリットの裏返しになりますが、次のようなデメリットが考えられます。

・特許庁に出向いたり、郵送手続が煩雑です。

・特に、特許庁に書面を持参して提出する方法の場合、特許庁の受付日時は平日の9時から17時のため、日曜祝日や年末年始は手続ができません。

・オンライン手続の場合はかからない「電子化手数料」という余分な費用が発生します。
特許庁では、商標や特許に関する情報のペーパーレス化を推進しており、書面(紙)で提出された情報を電子化していますので、その手数料という名目です。つまり、特許庁としても、なるべくオンライン手続を行なってもらいたいから、それを推進するために書面手続に追加的な費用を徴収しているともいえます。
ちなみに、電子化手数料の額は、意外とばかにならないものです。
電子化手数料の額は、次のような計算方法で決まります。

手続1件あたり1,200円に、書面1枚につき700円を加えた金額。

ですので、最低でも電子化手数料は、1,900円かかるということです。
書面が10枚あると、8,200円になります。

まとめ

商標登録出願の方法、つまり商標登録願(願書)は大きくオンライン手続と書面手続がありますが、簡易迅速に手続を行なえて、電子化手数料もかからないオンライン手続の方がメリットが大きいと考えられます。

ちなみに、弊所は当然オンラインで手続を行なっております。

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