飲食店の商標登録は、それで足りるか?

レストラン、ファーストフード、居酒屋、カフェなどの飲食店の商標登録といえば、典型的には、そのお店の名前の商標登録になります。

飲食店もたくさんありますので、店舗名称を商標登録しておかないとキケンです。

実際に、飲食業界では、商標や不正競争防止法上の権利の問題等で法的紛争になるケースが多いです。

ですので、少なくとも、お店の名前くらいは、商標登録をしておくことが賢明です。

飲食店の商標登録のしかた

商標登録をするときには、その商標をどのような商品・サービスに使用するのかを指定する必要があります。
このように指定した商品・サービスは「指定商品・指定役務」と呼ばれます。(「役務」は「サービス」のことです。)
商品・サービスは、45通りの「区分」に分類されています。

飲食店の店名の商標登録をする場合は、通常、第43類という区分に含まれる「飲食物の提供」というサービスを指定します。

「飲食物の提供」で足りるか?

上述の通り、飲食店の商標登録の場合、基本は、第43類「飲食物の提供」を指定すればよいです。

しかし、飲食店において、テイクアウト商品がある場合は、第43類の「飲食物の提供」だけでは保護が十分ではありません。

例えば、喫茶店・カフェのようなお店で、コーヒーやパンのテイクアウトを行う場合、第43類の「飲食物の提供」の他に、第30類の「コーヒー、パン」なども指定するべきでしょう。

また、例えば、テイクアウトのコーヒーが他社ブランドの缶コーヒーである場合は、例えば、第35類の「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(長くて分かりにくい表現ですが、要は「飲食料品の小売業又は卸売業」という意味です。)を指定するべきと考えられます。

以上のように、飲食店の商標登録の場合の指定商品・指定役務は、第43類「飲食物の提供」と、比較的に分かり易いのですが、具体的に業態や提供している商品・サービスを見ていくと、実は、他の区分の商品・サービスを指定しておいた方がよいケースもございます。

指定商品・指定役務の指定の仕方を誤ると、商標登録をする意味が無くなるか、半減してしまいますので、慎重に行うべきでしょう。

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