「実例に見るキャラクターの商標登録」シリーズも本稿で第4弾になります。
第１弾から第３弾までは、著名なキャラクターをご紹介しましたが、今回はややマイナーなキャラクターの事例です。
その名も「ヴィクトワール・シュヴァルブラン・村男Ⅲ世」。
キャラクターの図柄は、こちらの商標でご確認頂ければと思います。
長野県の白馬村のキャラクターです。
地域のキャラクターとしては、異彩を放っていて、個人的には好きなキャラクターです。
キャラクターの名前としては、あり得ない？程の長いネーミング。
やさぐれ感あるシュールな感じ。
ターゲットは子供ではなく、若者位なのでしょうか。
「ゆるキャラグランプリ」では、やや苦戦しているようで、２０１５年が１１７位、２０１６年が８８位です。
そんな「ヴィクトワール・シュヴァルブラン・村男Ⅲ世」ですが、白馬村としては結構力を入れているように見えます。
上述したこのキャラクターの商標、白馬村を所有している唯一の登録商標です。
しかも、この登録商標の商品・役務の区分の数は、１１個です。
区分の数が１１あると、商標登録にかかる費用もそれなりに大きくなります。
印紙代だけでも、出願時に￥９８，０００、登録時に１０年分の登録料を納付すると￥３１０，２００かかります。
区分の内容は以下の通りです。
第９類
携帯電話機用ストラップ，その他の電気通信機械器具，眼鏡，家庭用テレビゲーム機用プログラム，レコード，インターネットを利用して受信し、及び保存することができる音楽ファイル，インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル，録画済みビデオディスク及びビデオテープ，電子出版物
第１４類
キーホルダー，記念カップ，記念たて，ピンバッジ，その他の身飾品，時計
第１６類
紙又はプラスチックを積層してなる包装用紙，紙製のぼり，紙製旗，名刺用紙，その他の紙類，ラベル，シール，封筒，その他の文房具類，絵はがき，ポスター，カレンダー，パンフレット，書籍，その他の印刷物，写真，写真立て
第２４類
のぼり及び旗（紙製のものを除く。），タオル，その他の布製身の回り品，織物製テーブルナプキン，織物製椅子カバー，織物製壁掛け，カーテン，テーブル掛け
第２５類
被服，履物，運動用特殊衣服，運動用特殊靴
第２６類
編みレース生地，刺しゅうレース生地，衣服用き章（貴金属製のものを除く。），衣服用バックル，衣服用バッジ（貴金属製のものを除く。），衣服用ブローチ，帯留，ボンネットピン（貴金属製のものを除く。），ワッペン，腕章，ヘアバンド，その他の頭飾品
第２７類
畳べり，その他の畳類，敷物，壁掛け（織物製のものを除く。），壁紙
第２８類
縫いぐるみ，その他のおもちゃ，人形，囲碁用具，将棋用具，歌がるた，さいころ，すごろく，ダイスカップ，ダイヤモンドゲーム，チェス用具，チェッカー用具，手品用具，ドミノ用具，トランプ
第３０類
茶，コーヒー，ココア，菓子，パン，サンドイッチ，中華まんじゅう，ハンバーガー，ピザ，ホットドッグ，ミートパイ，調味料，香辛料，穀物の加工品，ぎょうざ，しゅうまい，すし，たこ焼き，弁当，ラビオリ
第３２類
ビール，清涼飲料，果実飲料，飲料用野菜ジュース，乳清飲料
第３３類
日本酒，酎ハイ，中国酒，薬味酒
キャラクターの商標の区分の押さえ方としては、オーソドックスだと思います。
キャラクターの商標登録の場合、最初は必要最低限の区分で商標登録をして、後から２件目、３件目の商標登録を行って区分を追加していく方法も見られますが、このように最初に必要な区分を広く押さえるのが理想的といえます。
また、このキャラクターも例にもれず、申請があれば、使用許諾を認めておりますが、これに関わる使用申請書や使用マニュアルもしっかりと整備されています。
「ヴィクトワール・シュヴァルブラン・村男Ⅲ世」、少しマニアックですが、商標的には意外と参考になる点が多いです。