商標法第六十六条は、防護標章登録に基づく権利の随伴性について規定しています。
防護標章登録は、商標権の保護を目的として存在しており、防護標章登録に基づく権利は、防護すべき元の商標権の存在を前提としています。
そのため、本条に規定されるように、防護標章登録に基づく権利は、元となる商標権に随伴するという性質を持っています。
第一項
第一項は、防護標章登録に基づく権利は、商標権を分割したときは消滅することを規定しています。
商標権が分割された場合には、分割後のいずれの商標権に随伴すべきかわからないためです。
具体的な条文は以下の通りです。
「防護標章登録に基づく権利は、当該商標権を分割したときは、消滅する。 」
第二項
第二項は、商標権が移転したときは、それに伴って、防護標章登録に基づく権利も移転することを規定しています。
防護標章登録に基づく権利の随伴性をまさに表している規定です。
具体的な条文は以下の通りです。
「防護標章登録に基づく権利は、当該商標権を移転したときは、その商標権に従つて移転する。 」
第三項
第三項も防護標章登録に基づく権利の随伴性を顕著に表した規定です。
即ち、商標権が消滅した場合には、防護標章登録に基づく権利も消滅します。
具体的な条文は以下の通りです。
「防護標章登録に基づく権利は、当該商標権が消滅したときは、消滅する。 」
第四項~第六項
第四項から第六項は、商標権の回復に伴う防護標章登録に基づく権利の制限規定になります。
具体的な条文は以下の通りです。
「4 第二十条第四項の規定により商標権が消滅したものとみなされた場合において、第二十一条第二項の規定により回復した当該商標権に係る防護標章登録に基づく権利の効力は、第二十条第三項に規定する更新登録の申請をすることができる期間の経過後第二十一条第一項の申請により商標権の存続期間を更新した旨の登録がされる前における次条各号に掲げる行為には、及ばない。
5 第四十一条の二第六項の規定により商標権が消滅したものとみなされた場合において、第四十一条の三第二項の規定により回復した当該商標権に係る防護標章登録に基づく権利の効力は、第四十一条の二第五項の規定により後期分割登録料を追納することができる期間の経過後第四十一条の三第二項の規定により商標権が存続していたものとみなされた旨の登録がされる前における次条各号に掲げる行為には、及ばない。
6 前項の規定は、第四十一条の三第三項において準用する同条第二項の規定により回復した商標権に係る防護標章登録に基づく権利の効力について準用する。
」