商標法第六十三条は、審決や登録異議申立てにおける取消決定等に対する訴えに関する規定です。
第一項
第一項は、登録異議申立ての取消決定、審決、補正却下決定及び登録異議申立て・審判・再審の請求書却下決定に対する訴えは、東京高等裁判所の専属管轄とすることを規定しています。
本来であれば、訴えの一審級は東京地方裁判所になるべきですが、特許庁における審判等の手続が厳正な準司法的手続によって行われるため、東京高等裁判所を専属管轄としています。
具体的な条文は以下の通りです。
「取消決定又は審決に対する訴え、第五十五条の二第三項(第六十条の二第二項において準用する場合を含む。)において準用する第十六条の二第一項の規定による却下の決定に対する訴え及び登録異議申立書又は審判若しくは再審の請求書の却下の決定に対する訴えは、東京高等裁判所の専属管轄とする。 」
第二項
商標に関する審決等に対する訴えの手続等は、特許法におけるそれと類似する部分が多いため、第二項では、審決等の訴えに関する特許法の規定を多く準用しています。
具体的な条文は以下の通りです。
「特許法第百七十八条第二項 から第六項 まで(出訴期間等)及び第百七十九条 から第百八十二条 まで(被告適格、出訴の通知等、審決取消訴訟における特許庁長官の意見、審決又は決定の取消し及び裁判の正本等の送付)の規定は、前項の訴えに準用する。この場合において、同法第百七十九条 中「特許無効審判若しくは延長登録無効審判」とあるのは、「商標法第四十六条第一項、第五十条第一項、第五十一条第一項、第五十二条の二第一項、第五十三条第一項若しくは第五十三条の二の審判」と読み替えるものとする。 」