商標法第四十三条の九

商標法第四十三条の九は、登録異議申立てにおける職権審理についての規定です。

第一項

第一項では、商標権者、登録異議申立人等が申し立てない理由についても審理することができることを定めています。
これは、登録異議申立て制度が、特許庁の商標の審査の見直しという側面を有しているため、当事者等が申し立てない取消理由についても職権で審理できることとされています。
具体的な条文は以下の通りです。

「登録異議の申立てについての審理においては、商標権者、登録異議申立人又は参加人が申し立てない理由についても、審理することができる。 」

第二項

第二項では、登録異議申立てがされていない指定商品・指定役務については、審理することができないことを定めています。
第一項では、申立ての無い理由まで職権で審理できるとされていますが、本項では申立ての無い指定商品・指定役務まで職権で審理することは認められていません。
申立ての無い指定商品・指定役務まで職権審理を認めると、商標権者の地位があまりにも不安定になると考えられるからです。
具体的な条文は以下の通りです。

「登録異議の申立てについての審理においては、登録異議の申立てがされていない指定商品又は指定役務については、審理することができない。 」