商標法第四十三条の四は、登録異議申立てについての申立ての方式等を定めた規定です。
第一項
第一項は、登録異議申立書の以下の記載事項を定めています。
・登録異議申立人及び代理人の氏名又は名称及び住所又は居所
・登録異議申立てに係る商標登録の表示
・登録異議申立ての理由及び必要な証拠の表示
具体的な条文は以下の通りです。
「登録異議の申立てをする者は、次に掲げる事項を記載した登録異議申立書を特許庁長官に提出しなければならない。
一 登録異議申立人及び代理人の氏名又は名称及び住所又は居所
二 登録異議の申立てに係る商標登録の表示
三 登録異議の申立ての理由及び必要な証拠の表示 」
第二項
第二項は、登録異議申立書の補正については、要旨変更となる補正を認めないこととしています。
しかし、所定期間内であれば、所謂「理由補充」は認められています。
具体的な条文は以下の通りです。
「前項の規定により提出した登録異議申立書の補正は、その要旨を変更するものであつてはならない。ただし、第四十三条の二に規定する期間の経過後三十日を経過するまでに前項第三号に掲げる事項についてする補正については、この限りでない。 」
第三項
第三項では、理由補充の期間につて所定の場合は延長を認めることを定めています。
具体的な条文は以下の通りです。
「特許庁長官は、遠隔又は交通不便の地にある者のため、請求により又は職権で、前項に規定する期間を延長することができる。 」
第四項
第四項は、登録異議申立書の副本は商標権者にも送られることを規定しています。
登録異議申立ては、登録異議申立人と特許庁との間で行われる手続のため、このような規定がないと、商標権者の知らぬ間に登録異議申立てが行われかねません。
そこで、商標法は、審判長に登録異議申立書の副本を商標権者に送付させることとしています。
具体的な条文は以下の通りです。
「審判長は、登録異議申立書の副本を商標権者に送付しなければならない。 」
第五項
第五項は、無効審判に関する規定を準用しています。
具体的には、審判長は、登録異議申立てがあった場合には、その旨を当該商標権についての専用使用権者その他当該商標権について登録した権利を有する者に通知しなければならないと規定しています。
登録異議申立てを受けた商標登録について利害関係を有する専用権者等にも、当該商標登録に対して登録異議申立てがされたことが通知されます。
具体的な条文は以下の通りです。
「第四十六条第四項の規定は、登録異議の申立てがあつた場合に準用する。 」