商標法第四十三条の三は、登録異議申立ての審理及び決定に関する規定です。
第一項
第一項は、登録異議申立ては、審判官の合議体で審理及び決定が行われることを規定しています。
これは、審査官による審査よりも慎重に審理が行われることを意味します。
具体的な条文は以下の通りです。
「登録異議の申立てについての審理及び決定は、三人又は五人の審判官の合議体が行う。 」
第二項
第二項は、商標登録が登録異議申立て事由に該当する場合は、審判官は、当該商標登録を取り消すべき決定をしなければならない旨を規定しています。
具体的な条文は以下の通りです。
「審判官は、登録異議の申立てに係る商標登録が前条各号の一に該当すると認めるときは、その商標登録を取り消すべき旨の決定(以下「取消決定」という。)をしなければならない。 」
第三項
第三項は、取消決定が確定した場合の効果、即ち、当該商標権は初めから存在しなかったものとみなされることを規定しています。
具体的な条文は以下の通りです。
「取消決定が確定したときは、その商標権は、初めから存在しなかつたものとみなす。 」
第四項
第四項は、登録異議申立てに係る商標登録が登録異議申立て事由に該当しない場合には、審判官は商標登録を維持すべき決定をしなければならないことを定めいます。
具体的な条文は以下の通りです。
「審判官は、登録異議の申立てに係る商標登録が前条各号の一に該当すると認めないときは、その商標登録を維持すべき旨の決定をしなければならない。 」
第五項
第五項は、登録維持決定に対しては、不服を申し立てることができなと規定しています。
この場合は、無効審判を請求することにより、当該商標登録を無効にすることを請求することはできます。
具体的な条文は以下の通りです。
「前項の決定に対しては、不服を申し立てることができない。 」