商標法第四十二条は、既に納付してしまった登録料の返還に関する規定です。
既に納付してしまった登録料であっても一定の場合には、返還を求めることができます。
第一項
第一項は、既納の登録料を返還できる場合を定めています。
過誤納付をしてしまった場合と、分割納付の場合の後期分で前期のうちに登録異議申立てにより取り消されたとき・無効審判で無効にされたときには、納付済みの登録料の返還を求めることができます。
具体的な条文は以下の通りです。
「既納の登録料は、次に掲げるものに限り、納付した者の請求により返還する。
一 過誤納の登録料
二 第四十一条の二第一項又は第七項の規定により商標権の存続期間の満了前五年までに納付すべき登録料(商標権の存続期間の満了前五年までに第四十三条の三第二項の取消決定又は商標登録を無効にすべき旨の審決が確定した場合に限る。)」
第二項
第二項では、既納の登録料の返還請求することができる時期的要件を定めています。
過誤納の場合は、納付した日から1年、異議申立てにより取消し・無効審判により無効とされた場合の後期分の登録料は、取消決定・審決確定日から6月を経過した後は、返還請求ができなくなります。
具体的な条文は以下の通りです。
「前項の規定による登録料の返還は、同項第一号の登録料については納付した日から一年、同項第二号の登録料については第四十三条の三第二項の取消決定又は審決が確定した日から六月を経過した後は、請求することができない。 」
第三項
第三項は、責めに帰することができない事由がある場合には、第二項の期限を徒過してしまったときでも既納の登録料の返還請求をすることができる旨を定めています。
具体的な条文は以下の通りです。
「第一項の規定による登録料の返還を請求する者がその責めに帰することができない理由により前項に規定する期間内にその請求をすることができないときは、同項の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその請求をすることができる。 」