商標法第三十八条の二は、再審における主張の制限について定めた規定です。
商標権侵害等の終局判決が確定した後に、無効審決や取消審決が確定したときは、当該訴訟当事者は、当該終局判決に対する再審の訴えで、当該審決が確定したことを主張することができない旨を定めています。
これは、商標権等の知財訴訟については、審判や訴訟で十分に攻撃防御方法を提出できることから、訴訟の紛争解決機能や企業経営の安定性等の観点から規定されております。
具体的な条文は以下の通りです。
「商標権若しくは専用使用権の侵害又は第十三条の二第一項(第六十八条第一項において準用する場合を含む。)に規定する金銭の支払の請求に係る訴訟の終局判決が確定した後に、次に掲げる審決又は決定が確定したときは、当該訴訟の当事者であつた者は、当該終局判決に対する再審の訴え(当該訴訟を本案とする仮差押命令事件の債権者に対する損害賠償の請求を目的とする訴え並びに当該訴訟を本案とする仮処分命令事件の債権者に対する損害賠償及び不当利得返還の請求を目的とする訴えを含む。)においては、当該審決又は決定が確定したことを主張することができない。
一 当該商標登録を無効にすべき旨の審決
二 当該商標登録を取り消すべき旨の決定 」