商標法第三十四条は、商標権、専用使用権及び通常使用権についての質権に関する規定です。
まず、本条より商標権、専用使用権及び通常使用権について質権を設定することができることがわかります。
第一項
第一項では、商標権、専用使用権及び通常使用権についての質権者は、原則として指定商品・指定役務について登録商標の使用をすることができない旨を定めています。
具体的な条文は以下の通りです。
「商標権、専用使用権又は通常使用権を目的として質権を設定したときは、質権者は、契約で別段の定めをした場合を除き、当該指定商品又は指定役務について当該登録商標の使用をすることができない。 」
第二項
第二項は、通常使用権についての質権の第三者対抗要件について定めています。
具体的な条文は以下の通りです。
「通常使用権を目的とする質権の設定、移転、変更、消滅又は処分の制限は、登録しなければ、第三者に対抗することができない。 」
第三項
第三項では、特許法第九十六条を準用しており、商標権、専用使用権及び通常使用権を目的とする質権に関する物上代位についての規定です。
具体的な条文は以下の通りです。
「特許法第九十六条 (物上代位)の規定は、商標権、専用使用権又は通常使用権を目的とする質権に準用する。 」
第四項
第四項も特許法の準用規定です。質権に関する登録の効果について定めています。
具体的な条文は以下の通りです。
「特許法第九十八条第一項第三号 及び第二項 (登録の効果)の規定は、商標権又は専用使用権を目的とする質権に準用する。 」