商標法第二十条第三項では、同第二項で定めている更新登録申請期間に更新登録申請ができなかった場合でも、所定の期間内であれば、本来の更新登録申請期間内に更新登録申請できなかった理由を求められることなく、更新登録申請をすることができることを定めていました。一種の救済規定です。
商標法第二十一条は、商標法第二十条第三項の期間内にも更新登録申請の手続をすることができなかった場合のさらなる救済規定です。
第一項
第一項では、商標法第二十条第四項によって(すなわち、商標法第二十条第三項の救済期間内にも更新登録申請をしなかった場合)商標権が消滅したものとみなされた場合であっても、商標法第二十条第三項の期間内に更新登録申請をすることができなかったことについて正当な理由があるときは、さらに所定の期間内であれば更新登録申請をすることができる旨を定めています。
商標法第二十条第三項に対するさらなる救済規定といえます。
ただし、本条では更新登録申請が当該期間内にできなかったことにつき「正当な理由」が必要となります。
具体的な条文は以下の通りです。
「前条第四項の規定により消滅したものとみなされた商標権の原商標権者は、同条第三項の規定により更新登録の申請をすることができる期間内にその申請ができなかつたことについて正当な理由があるときは、経済産業省令で定める期間内に限り、その申請をすることができる。 」
第二項
商標法第二十一条に基づいて更新登録申請をする場合、その手続は、商標権の存続期間満了後に行われることになります。そうすると、商標権存続期間満了後から更新登録申請までの間の商標権の取り扱いが問題となりますので、本条文により、存続期間は、満了の時にさかのぼって更新されたものとみなされます。
具体的な条文は以下の通りです。
「前項の規定による更新登録の申請があつたときは、存続期間は、その満了の時にさかのぼつて更新されたものとみなす。 」