商標法第二十条

商標法第二十条は、商標権の存続期間の更新登録申請の手続に関する規定です。

第一項

第一項では、更新登録申請をする際の申請書の記載事項を定めています。
具体的には、申請人の氏名・名称及び住所・居所、商標登録番号などが申請書の記載事項となります。
商標登録出願の際の願書の記載事項よりも簡素です。これは、更新登録申請は、基本的には、既存の商標権の内容の同一性を維持しながら存続期間を更新させるものなので、商標登録出願時よりも少ない情報で足りるからです。
具体的な条文は以下の通りです。

「商標権の存続期間の更新登録の申請をする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を特許庁長官に提出しなければならない。
一  申請人の氏名又は名称及び住所又は居所
二  商標登録の登録番号
三  前二号に掲げるもののほか、経済産業省令で定める事項 」

上記三号の「経済産業省令で定める事項とは、例えば、商品・役務の区分の数を減らして更新登録申請する場合における「更新登録を求める商品及び役務の区分」が該当します。

第二項

第二項では、更新登録申請の手続を行い得る期間を定めています。
存続期間満了前6月から存続期間満了日までの間が商標権の存続期間の更新登録申請期間となります。
具体的な条文は以下の通りです。

「更新登録の申請は、商標権の存続期間の満了前六月から満了の日までの間にしなければならない。 」

第三項

商標権の更新登録申請をすることができる期間は原則として第二項に定めた通りですが、この期間にできない場合でも一定期間内であれば、更新登録申請をすることができることを第三項で定めています。
具体的な条文は以下の通りです。

「商標権者は、前項に規定する期間内に更新登録の申請をすることができないときは、その期間が経過した後であつても、経済産業省令で定める期間以内にその申請をすることができる。 」

条文からお気づきの通り、第二項の期間内に更新登録申請をすることができなかったことに、正当な理由などは必要とされていません。

第四項

第三項に定める期間内にも更新登録申請をしない場合は、商標権は、存続期間の満了の時にさかのぼって消滅することを第四項では定めています。
具体的な条文は以下の通りです。

「商標権者が前項の規定により更新登録の申請をすることができる期間内に、その申請をしないときは、その商標権は、存続期間の満了の時にさかのぼつて消滅したものとみなす。 」