商標登録のメリットと必要性

商標登録のメリットと必要性

会社のブランドなどを商標登録しておかないと事業活動ができないという訳ではありません。そのため、商標登録をしていない会社様も多いかと思います。一方で、毎年10万件以上の商標登録出願がなされています。商標登録出願をしているのは大企業だけではありません。10万件の約半分は中小企業によるものです。

商標登録をすることのメリット

大きなメリットは2つあります。

1.自社ブランドを安全に継続して使用することができる。
 逆に言えば、商標登録をしていないと、ある日突然自社ブランドを使用することができなくなる場合があるということです。日本の商標制度は「先願主義」という制度設計になっています。先に商標を使用していた者ではなく、先に出願した者が勝つという制度です。そのため、10年前から商標を使用していても商標登録をしていなければ、同様の商標を今日出願されて登録されてしまうと、先に使用していた商標は使えなくなってしまいます。(例外として「先使用権」という制度もありますが、これが認められるためには、先に使用していた商標が有名になっていないといけない等幾つかの要件を満たしている必要があります。)

2.自社ブランドと同様の商標を他者に使用された場合に止めさせることができる。
 これも逆に言えば、商標登録をしていないと、他人に自社ブランドと同様の商標を使用されても止めさせることができなくなるということです。(商標登録をしていなくても、自社ブランドが有名であれば、「不正競争防止法」に基づいて止めさせることができる場合はあります。)
 自社ブランドと同様の商標を他人に使用されて、粗悪な商品・サービスを提供されてしまうと、自社の信用も失墜してしまいます。

以上が商標登録をすることの大きなメリットになりますが、以下のようなメリットも考えられます。

・®(マルアール)を商標の近くに表示することができる。®は”registered trademark”(登録済み商標)のことで、登録商標にのみ表示することができます。登録商標でないのに®を付けると罰則がありますのでご注意下さい。®を表示することで、その企業が知的財産にも配慮した事業活動を行っていることを示すことができますので、一定の信用を得ることもできるかと思います。

商標登録する必要性

冒頭申し上げましたように、商標登録をしなくても事業活動をすることは可能です。ですので、商標登録が必ず「必要」とまでは言えませんが、以下のようなビジネスを行っている企業などは是非とも商標登録することを検討すべきです。

・商標の使用許諾(ライセンス)を行っている企業・地方公共団体など
自社の商標を他者が使用することを許諾するものです。多くは、「商標使用許諾契約書」などを締結して行います。民間企業同士で行われることも多いですが、最近多いのは、地方公共団体などのマスコットキャラクター・イメージキャラクターやロゴマークを地元の民間企業に使用許諾するというものもです。この場合、商標の所有者がライセンサー、使用許諾してもらう側がライセンシーとなります。一般的にライセンサーの方が立場が強いので、商標使用許諾契約書の条項もライセンサーの意向に沿って作られることが多く、ライセンサーはあまり義務を負わない契約書になりがちです。そうは言っても、「商標をライセンシーに安全に使用させること」はライセンサーの責任と言えますので使用許諾する商標は是非とも商標登録しておきたいものです。

・フランチャイズビジネスを行っている企業
フランチャイズビジネスにおいて、フランチャイジーがフランチャイザーに支払うロイヤリティは、商標使用料、ノウハウ提供料、経営指導料などの対価と考えられますが、「商標使用料」のウェートが大きのではないでしょうか? 例えば、コンビニエンスストアで、「セブンイレブン」の商標が使えるのと、「宮下商店」とでは事業成績が大きく異なってくることでしょう。そのため、上述の商標使用許諾の場合と同様、フランチャイザーはフランチャイジーに安全に商標を使用させる責任があると言えます。
さらに、フランチャイズビジネスでは他店舗展開を前提にしていますので、商標が使えなくなることによる損害はかなり大きくなってしまいます。

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