ややショッキングなタイトルになってしまいましたが、「お店の看板に表示されたブランドで訴えられないように」、という内容になります。
食品や雑貨などを販売する小売店、レストランや居酒屋などの飲食店、美容院、エステサロン、ネイルサロン等々、街中にはたくさんのお店があり、それぞれ看板を掲げ、看板にお店のブランドを表示しています。
これらの看板に表示されたブランドたち、ほとんどが商標登録の対象であることをご存じでしたか?
商標登録の対象にならないのは、例えば、魚を販売しているお店の「魚屋」という看板、居酒屋の「居酒屋」という看板、美容院の「美容院」という看板など。
サービス内容をそのまま表示しただけの看板は基本的に商標登録の対象になりません。
商標は、自分が提供しているサービスと、他人が提供しているサービスとを区別するためのものです。
「魚屋」・「居酒屋」・「美容院」では、誰が提供しているお店か区別できないため商標登録の対象となりません。
でも、「魚屋」とか「居酒屋」とか「美容院」と表示されただけの看板てあんまりないですよね。
このような看板は魅力的ではないからですよね。
なので、普通は、もっと凝ったオシャレなブランドを看板に掲げます。
「凝ったオシャレなブランド」というのは、そのお店が提供しているサービス内容を直接的に示すものではなく「暗示」させるものであったり、あるいは、サービス内容とは無関係のブランドであったりします。
こういった「凝ったオシャレなブランド」が看板に表示されていれば、誰が提供しているサービスであるのか区別できるので、商標登録の対象になります。
「ブランドが商標登録の対象になる」の意味
ブランドが商標登録の対象になる、ということの意味は非常に重要です。
⇒ そのブランドを商標登録出願した場合に、商標登録される可能性がある。
⇒ つまり、他人がそのブランドと同様のブランドを既に商標登録しているかもしれない。
⇒ あるいは、他人がそのブランドと同様のブランドをこれから商標登録出願するかもしれない。
ということを意味します。
ちなみに、どれ位の数の登録商標が存在しているか?
小売業・・・70357件(出願中の商標を含む。2015年6月2日調査時点。以下同じ)
飲食業・・・71345件
美容・理容(美容院、エステサロン、ネイルサロン)・・・31587件
なかなかの数字です。
この何万件もの登録商標と同一・類似のブランドを看板に表示していると、「商標権侵害」の可能性が高く、やがて「内容証明郵便」が送られてくることになります。
こうならないために、商標のデータベースを使って、自分が使っているブランドと同一・類似の登録商標が存在していないかを確認するのが事業活動を行う上で必須です。
これを「商標調査」といいます。