化粧品の商標登録

私個人的には、化粧品を使うことが無いので決して詳しくはありませんが、化粧品のブランドって相当たくさんありますよね。

ブランドというと、「ブランドを育成」して、「ブランド力を高める」といったことがよく言われると思いますが、ブランドの育成・ブランド力向上のためには、前提として、「商標登録」が不可欠になります。

ブランドを商標登録していないと、ブランドは他社にマネされ放題になりますし、或いは、気付かぬうちに自社のブランドが他社のブランドの商標権を侵害していて自社ブランドの中止・損害賠償に追い込まれるなんていうリスクもあります。

そんなわけで、本稿では、化粧品の商標登録について考えてみたいと思います。

化粧品の商標登録は激戦区

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冒頭で述べましたが、世の中に化粧品のブランドが数えきれないくらい沢山あるので、それが全て商標登録されている訳でもないでしょうが、それでも相当多くの化粧品ブランドの商標登録があると思います。

例えば、大手メーカーの話になりますが、特許庁の統計データでは、2019年に最も多くの商標登録をした企業上位10社の中に化粧品関連の企業が3社入っています。
第2位に花王(化粧品以外の化学品も取り扱っていますが)、第3位に資生堂、第8位にコーセーが入っています。

このような大企業は、たくさん商標登録をするのは当たり前のようなことかもしれません。

しかし、これらの企業が多数の商標登録を行うということは、これらの企業に続く中堅企業なでも、それなりに多くの商標登録を行っているものと推測できます。
最初の方で述べましたが、ブランドを商標登録していないと、自社ブランドが他社にマネされるのを防げませんし、逆に、自社ブランドが他社ブランドの商標権を侵害してしまうかもしれないのです。
大企業が中堅企業のブランドをマネするようなことは、あまり無いかもしれませんが、中堅企業としては、自社ブランドを商標登録することで、大企業などの商標権を侵害してしまわないように注意しながらビジネスを行っていると考えられます。

「自社ブランドを商標登録すれば、他社の商標権を侵害しない」とは?

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先程、「自社ブランドを商標登録すれば、他社の商標権を侵害しない」という趣旨のことを述べましたが、このロジックについて若干ご説明します。

例えば、A社が「LABRADOR」という商標を化粧品の分野で商標登録をしたとします。
そうすると、A社は「LABRADOR」という商標を化粧品について独占的に使用することができるようになります。

これが商標登録の基本的な意味・効果になります。

別の見方をすると、A社とは無関係のB社は「LABRADOR」と全く同じ商標はもちろん、これと似たような商標を化粧品や化粧品と類似の商品に使うことができなくなります。

さらに、A社が「LABRADOR」という商標を化粧品の分野で先に商標出願(申請)して商標登録していると、B社は後から「LABRADOR」と全く同じ商標はもちろん、これと似たような商標を化粧品や化粧品と類似の商品の分野で商標登録をすることができなくなります(特許庁の審査に通りませんので)。

ここで、「自社ブランドを商標登録すれば、他社の商標権を侵害しない」に話を戻します。

商標登録をするためには、まず商標出願(申請)を行いますが、通常、その前に商標調査ということをします。
商標調査とは、事前に登録商標のデータベースなどを検索して、既に同じような商標が登録されていないかどうかを調べて、出願(申請)しようとしている商標がどの程度の確率で商標登録できるかを確認することです。
つまり、商標調査を行えば、出願(申請)使用としているブランドが、他社の商標権を侵害していないことをある程度確認することができるのです。

さらに、出願(申請)した商標が商標登録できれば、より一層、他社の商標権を侵害していないであろうことを確認することができます。なぜなら、特許庁は、出願(申請)された商標が、先に出願(申請)されている商標と同じようなものでないか審査をしますので、商標登録できた、つまり特許庁の審査に通ったということは、同じような先行商標が無いと特許庁が判断をしたことの証だからです。

事前の商標調査でも、特許庁の審査でも、同じような先行商標が無かったということは、そのブランドは他社の商標権を侵害することは、ほぼ無いと考えられるのです。

1つ注意点を述べます。

例えば、商標調査をして、先行する同じような他社の登録商標が無かったとします。
そのため、この時点では、そのブランドは、他社の商標権を侵害することはなさそうです。

もし、ここでそのブランドを商標登録せずに使っていたら、どうなるか?

もしかするか、そのブランドを同じような商標を他社が商標出願(申請)してしまうかもしれません。
その他社は、そのブランドをマネして出願(申請)したのか、或いは、偶然たまたま同じような商標出願(申請)したのかは問いませんが、そうすると、その他社が同じような商標を商標登録してしまいます。

ご自分が先にそのブランドを使っていても、先に他社に商標登録されてしまうと、原則として、そのブランドを使うと他社の商標権を侵害してしまうのです。(「先使用権」という制度で、先に商標を使っていれば、一定の保護を受けられる場合もありますが、先使用権が認められるための要件を満たす必要がある等、先使用権に頼るのは危険です。)

一方、先に自社がその商標を出願(申請)していれば、このような事態は起こりません。
先程も述べましたが、先に出願(申請)しておけば、後から、他社は同じような商標を登録することができなくなるためです。

したがいまして、「自社ブランドを商標登録すれば、他社の商標権を侵害しない」というのは、先行する他社の商標権を侵害しないということと、後日他社の商標権を侵害しないということの2つの意味があるのです。

化粧品ブランドを商標登録するには?

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次に、化粧品のブランドを商標登録するにはどうするか、ということをお伝えします。

まずは、どの商標を商標登録するかです。
化粧品のブランドの場合、ブランド名がありますし、ロゴマークもあるかもしれません。また、ブランド名も特殊な書体で表記している場合は、その特殊な書体で商標登録するのか、或いは普通の書体で商標登録するのか等、色々なパターンで商標登録することができます。
多くのパターンを商標登録しておけば、ブランドの保護は万全になりますが、たくさん商標登録するということは、それだけ商標登録に要するコストも大きくなってしまいますので、予算の範囲内で最も有効・効率的なパターンの商標を出願(申請)すべきでしょう。

もう1つの検討事項は、どのような商品・サービスの分野で商標登録するかです。
商標登録は、商品やサービスの範囲を指定して行います。
商品・サービスの範囲もなるべく広い範囲を指定すれば、ブランドの保護は厚くなりますが、その分、商標登録のコストも大きくなりますので、こちらも必要かつ十分な範囲を吟味して指定することになります。
商品・サービスは、45通りの「区分」という単位で分類されています。化粧品の商標登録の場合、「第3類」という区分に化粧品が含まれますので、まずはここが基本になりますが、実際には、具体的な状況に応じて、その他の区分も必要かどうかの検討をされるべきです。

 

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