実例に見るキャラクターの商標登録(チーバくん)

「実例に見るキャラクターの商標登録」シリーズの第5弾は、弊所代表弁理士の地元千葉県のキャラクター「チーバくん」です。

「チーバくん」は、横から見た姿が千葉県の形をしていることが最大の特徴と思います。

千葉県のホームページによれば、「チーバくん」は、”千葉県に住む不思議ないきもの”だそうです。
また、” 好奇心旺盛でいろいろなことに挑戦するのが大好き。 未知のものに立ち向かうときほど勇気と情熱がわき、
からだが赤く輝く。 食いしん坊でいたずら好きな面も。”とのことです。

さすがに地元千葉では、色々なところで「チーバくん」が利用されている様子で、街でよく見かけます。

そんな「チーバくん」の商標登録の状況を調べてみました。
意外なことに、千葉県は「チーバくん」の登録商標を1件しか保有していませんでした。
しかも、指定商品は、第16類:「紙製包装用容器,紙類,文房具類,印刷物」のみです。
この商標の出願時点では、第25類:「被服及び履物」も指定されていましたが、おそらく、特許庁における商標審査の段階で第25類に関しては、他者の同一又は類似の登録商標があり商標登録できなかったのでしょう。

県のキャラクターの商標登録としては、これだけ色々なシーンで使用されているキャラクターということもありますし、やや心もとない印象を受けます。

ちなみに、「チーバくん」から派生したのでしょうか、千葉県の新しい苺の品種のブランドが「チーバベリー」と名付けられています。
こちらは、まず、2016年1月に、指定商品は第31類:「果実,野菜,苗」で商標登録出願されています。
そして、追加的に、商標「チーバベリー」は、第29類:「乳製品,冷凍果実,加工野菜及び加工果実 」、第30類:「 茶,菓子,パン,サンドイッチ,調味料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,穀物の加工品,即席菓子のもと」、第32類:「 ビール,清涼飲料,果実飲料,乳清飲料」、第33類:「 洋酒,果実酒,酎ハイ」を指定して、2016年7月に商標登録出願しています。

苺のブランドを「果実」以外の加工食品類の範囲を含めて商標登録するのは、当該苺の果肉や果汁を使用した加工食品類にも商標「チーバベリー」を千葉県や千葉県が使用許諾した事業者等に安全に使用させつつ、無許諾の者に使用されるのを防ぐことが目的であると考えられます。

果実や野菜のブランドでは、そのブランドを果実や野菜の分野で商標登録をしたものの、周辺の加工食品類では本家が商標登録していなかったために、第三者に商標登録されてしまうというケースも散見されますので、果実・野菜の商標登録は、こういったところにも注意が必要です。

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