実例に見るキャラクターの商標登録(くまモン)

キャラクターの商標登録には、特有の難しさがあります。

キャラクターを商標登録する場合、キャラクターの図柄とキャラクターの名称をどのように商標登録するのか(キャラクターの図柄とキャラクターの名称を別々の商標として2件の商標登録をするのか、或いは、キャラクターの図柄と名称を組み合わせて1件の商標登録にするのか)という問題が考えられます。
また、キャラクターはいろんなポーズをとりますが、キャラクターの図柄を商標登録するにしても、キャラクターのどの姿勢で商標登録するのか?全ての姿勢で商標登録が必要なのか?といった論点もあります。

さらに、キャラクターを商標登録する場合の指定商品・指定役務は、どの範囲で押さえるのか(企業のマスコットキャラクターの商標登録であれば、その企業の取扱商品・サービスの範囲で指定商品・指定役務を設定すればよいかもしれませんが、キャラクターグッズを販売する等のキャラクタービジネスを行う場合には、どの商品群・サービス群を押さえればよいのか(範囲を広くする程コストもかかります)という問題もあります。

弊所では、ご予算に応じて最適なキャラクターの商標登録のご提案をさせて頂いておりますが、ここでは、実際の人気キャラクターの商標登録の状況をご紹介致します。

まず第一弾として、熊本県のキャラクター「くまモン」を取り上げます。

熊本県は、全部で33件の登録商標を所有しています。
そのうち、8件が「くまモン」関連の登録商標です。
(いずれも2016年10月12日調査時点)

最初は、2010年8月に、「くまモン」の図柄と名称を別々に、指定商品は第16類の「文房具、印刷物等」」を指定して2件の商標登録出願をしています。この2件は同日に商標登録出願されています。
おそらく、この時点では、「くまモン」がどれほどヒットするのか未知数であったため、当時最も必要度が高いと考えた第16類の商品を指定して商標登録出願をしたものと考えられます。
なお「くまモン」の図柄は、「くまモン」が普通に立っている姿勢を正面から全身を描いた図柄を商標登録しています。以降の「くまモン」の図柄の商標登録は、これと同じ図柄で商標登録されています。

最初の商標登録出願から遅れること約1年半後の2012年3月に、同じく「くまモン」の図柄と名称を別々に2件の商標登録出願を行っています。
この段階では、「くまモン」の人気も出ていたのでしょう、指定商品は第3、4、5、9、11、12、14、18、20、21、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、35、36、39、41、42、43、44、45類の商品を指定しています。
ちなみに、これだけ広範囲の商品・役務を指定すると、1件あたり出願時の特許庁費用が約24万円、登録時の特許庁費用(10年分の登録料)が約100万円です。実際は、さらに弁理士費用もかかっているでしょうから、相当の投資ですね。

さらに、2012年7月に、「くまモン」の図柄と名称を別々に、第24類の「布団等」を指定して2件の商標登録出願を行っています。
前回の商標登録で、かなり広い商品・サービスの範囲を押さえていたはずですが、このあたりがキャラクタービジネス、キャラクターの商標登録の難しいところだと思います、前回は不要と考えていた第24類の商品も必要性が出てきて追加の商標登録出願を行ったものと考えられます。

そして、さらに、2013年9月には、アルファベットの「KUMAMON」の文字も商標登録出願しています。指定商品・指定役務は第16類の「文房具、印刷物等」です。
念のため、アルファベットも商標権を取得して模倣等を防ごうと考えたのかもしれません。

以上、「くまモン」の商標登録の実例を見てきましたが、「くまモン」の財源は熊本県であり、また「くまモン」が空前のヒットキャラクターとなったこともあり、商標登録にもかなりのコストをかけることができたケースです。
そのため、キャラクターの図柄と名称を別々に2件の商標登録としたり、広範囲の商品・役務を指定できたケースです。

現実的には、キャラクターの商標登録に中々ここまでの費用をかけるのが難しい場合の方が多いと考えられます。
そのような場合、弊所ではなるべくご予算でキャラクターの商標登録ができるようご提案をさせて頂いております。

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