商標登録しないとどうなる?

商標登録をしないとビジネスはできないのか?
商標登録をしなくてもビジネスを行うことはできます。
例えば、法人の設立登記をしなければ会社は設立できませんので、会社を作るのならば商業登記は必須ですが、商標登録をしなくてもビジネスを行うことはできますので、ビジネスにおいて商標登録は必須ではありません。
商標登録の効果を簡単に
商標登録をしないとどうなるかを説明するうえで、商標登録の効果、つまり商標登録するとどうなるかを説明する必要があります。
商標登録の効果などは、本ウェブサイトの幾つかのページでご説明しているので、ここでは簡単にご説明します。

まず、商標登録とは、特許庁に商標を登録することですが、商標と併せて、当該商標を使用する商品・役務(サービス)を登録します。
そして、商標登録すると、登録した商品・役務(指定商品・指定役務)に関して、登録した商標(登録商標)を独占的に使用することができるようになります。指定商品・指定役務の範囲にはなりますが、商標を独占使用できるので、偶然なのか、マネしてきたのかに関わらず、他社が同じような商標を使用するのを法律的に防止することができるようになります。
商標登録しないことのリスク
前項の説明で、商標登録をしないことのリスクをおおよそ予想できたと思います。
商標登録をしないと、自社が使用している商標と同じような商標を他社に使われてしまう(使われても法律的に文句を言えない)というリスクになります。

たまにこういう経営者さんがいらっしゃいます。
”ウチの商標は特殊で個性的だから、他社が同じような商標を使うわけがない。”
”ウチの商標は知名度もないから、他社がマネするはずがない。”
まあ、そのような事情もあるかもしれないのですが、過去20年以上商標に関わってきた経験上、意外と商標がカブるのをよく見てきました。

そして、自社商標と同じような商標を他社に使われてしまうと、どのようなリスクがあるのかを次にご説明します。
同じような商標を見れば、お客さんは、全て同じ事業者が提供している商品・役務ではないかと思ってしまいます。
同じような商標を使用している他社の商品・役務が粗悪であったとすると、その他社の商品・役務が自社の商品・役務と勘違いされてしまって、自社の信用や評判を落としてしまうリスクがあるのです。
これが商標登録しないことの基本的なリスクであり、このようなリスクを防止することが、商標登録のことを規定する商標法の目的の一つでもあります。
商標登録しないことのリスクは他にもある
実は、商標登録をしないことのリスクは、前項でご説明したことの他にもあります。もしかすると、こちらのリスクの方が大きいかもしれません。
商標登録の効果は、登録商標を独占使用できることは上でご説明しました。この効果の裏返しとも言えるのですが、他社の登録商標は、当該他社が独占使用できますので、自社は、当該登録商標と同じような商標は使用も登録もできないことになります。

商標登録の制度は、同じような商標の出願(申請)が競合した場合、先に出願(申請)した方が登録できて、後の出願(申請)は拒絶され登録できません。

ですので、もし自社の商標を登録しないでいるうちに、他社が同じような商標を出願(申請)して登録してしまうと、自社商標を使用することができなくなってしまうのです。具体的に言いますと、当該他社から、商標の使用差止めを請求されたり、損害賠償の請求をされてしまうというリスクになります。

”いやいや、そんな偶然起こりっこないよ。”という声を聴くこともあるのですが、上述の通り、そのような偶然も意外と起きるものです。
また、”でも、ウチは、その商標を何十年も前から使っているので、先使用権みたいなものがあるでしょ。”ということも聴くことがあります。確かに商標法には先使用権が規定されています、しかし、先使用権が認められるためには当該商標が有名である必要がありますし、有名であることを立証することは一般に中々難しいこと、どの程度有名であれば先使用権が認められるのか不透明であること等を考慮すると、あまり先使用権に頼るのも賢明ではありません。
まとめ
商標登録をしないと、①他社に同じような商標を使われてしまっても、他社の使用を排除できず、自社の信用・評判が落ちてしまうかもしれない、②他社に同じような商標を登録されてしまって、自社が商標を使用できなくなる、というリスクが生じます
したがいまして、これらのようなリスクを回避するためには、自社の重要な商標については特に、なるべく早く商標登録しておくことが良いと考えられます。


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