商標登録の要件(商標の類似とは?)

商標登録の要件(商標の類似とは?)

商標法では、第4条で「商標登録を受けることができない商標」を定めています。19通りの商標登録を受けることができない商標が定められていますが、本稿では、その内の1つである、商標法第4条第1項第11号の規定をご紹介します。

商標法第4条第1項第11号
「当該商標登録出願の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標又はこれに類似する商標であって、その商標登録に係る指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用するもの」

この商標法第4条第1項第11号は、商標登録を受けることができない商標の中で最も代表的なものといえます。この規定は、要するに、商標が、他人の先に出願して登録された商標と同一又は類似で、かつ、指定商品・指定役務が同一又は類似の場合は、商標登録を受けることができない、というものです。当然といえば当然の規定です。

商標や商品・役務(サービス)が「同一」というのは比較的にわかりやすいと思います。
しかし、商標や商品・役務(サービス)が「類似」するとは、どのような判断されるのか?

商標の類似の判断

特許庁に商標登録出願をすると、特許庁の審査官が、出願された商標について審査をして登録すべきか否かを判断します。この審査は、特許庁が定める「商標審査基準」に基づいて行われます。

商標審査基準には、商標の類似の判断について次のような記載があります。

「商標の類否の判断は、商標の有する外観、称呼及び観念のそれぞれの判断要素を総合的に考察しなければならない。」

「商標の類否の判断は、商標が使用される商品又は役務の主たる需要者層(例えば、専門家、老人、子供、婦人等の違い)その他商品又は役務の取引の実情を考慮し、需要者の通常有する注意力を基準として判断しなければならない。」

これらの商標審査基準における記載から、商標の「外観」、「称呼」、「観念」、「需要者の通常有する注意力」が商標の類似を審査するにあたり判断材料となることがわかります。

「外観」とは「見た目」のことです。
「称呼」は、「呼び方」です。
「観念」は、意味合いです。

これらの3つが基本的な判断要素です。商標審査基準では、これらを「総合的に考察」となっていますが、いずれか一つが類似していると、商標は類似すると考えておいた方が無難といえます。
また、これらの3つの中でも、特に「称呼」が重視される傾向もあります。

「需要者の通常有する注意力」とは、例えば、ある商品・サービスの「専門家」であれば、商標の細かい相違まで区別できるので、比較的に似ているような商標でも、その需要者層が専門家の場合は、非類似と判断される傾向があります。
他方、「老人」「子供」の場合、注意力があまり高くないことがあるので、商標の細かな相違は気づきにくいので、商標は類似すると判断されやすい傾向があるとえいます。

商品・役務の類似の判断

特許庁が定める「類似商品・役務審査基準」に基づいて商品・サービスの類似の判断がされます。商標の類似の判断に比べると、この基準に則り形式的に判断されます。

類似商品・役務審査基準には、各商品・サービスに「類似群コード」というコードが付けられており、基本的には、同じコードが付けられた商品・サービス同士は類似すると判断されることになります。


以上、商標の類似に関する登録要件をご説明しましたが、個別具体的な案件は商標に強い弁理士に相談されることをおすすめ致します。

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