ブランドいちご「スカイベリー」にみる商標出願戦略と弁理士の役割

ちょっとマニアックですが、栃木県産のブランドいちご「スカイベリー」の図形商標が商標登録されたと報道されています。

ブランド農作物・地域ブランドに関心があるので、「スカイベリー」の商標について調べてみました。

関連する登録商標がいくつか見つかりましたが、早い段階で商標出願戦略について適切なコンサルティングを受けていれば、もう少しうまく商標登録できたのかな?という印象です。

関連する登録商標は次の通りです。

文字商標①「スカイベリー」登録第5519463号(出願日:平成24年3月23日) 指定商品:第31類 野菜、果実、種子類、苗

文字商標②「スカイベリー」登録第5519465号(出願日:平成24年4月2日) 指定商品:第29類 冷凍果実、加工野菜及び加工果実、第30類 茶、菓子及びパン、穀物の加工品、第32類 ビール、清涼飲料、果実飲料、乳清飲料、第33類 日本酒、洋酒、果実酒

文字商標③「スカイベリー」登録第5686275号(出願日:平成26年2月5日)指定商品:第29類 乳製品、第30類 サンドイッチ及び中華まんじゅう、調味料、アイスクリームのもと及びシャーベットのもと、ぎょうざ、即席菓子のもと、第32類 飲料用野菜ジュース、第33類 酎ハイ

図形商標 登録第5757603号(出願日:平成26年11月27日)指定商品:第29類 冷凍果実、加工野菜及び加工果実、乳製品、第30類 茶、菓子及びパン、穀物の加工品、サンドイッチ及び中華まんじゅう、調味料、アイスクリームのもと及びシャーベットのもと、ぎょうざ、即席菓子のもと、第31類 野菜、果実、種子類、苗 

4件の登録商標がありました。
注目したいのは、それぞれの「出願日」と「指定商品」です。

まず、文字商標①です。いちごの商標なので、指定商品を「第31類 野菜、果実、種子類、苗」とするのは当然です。
しかし、ブランド果実などは、お菓子などの加工食品に原材料として使用され、その加工食品の商標の一部としてブランド果実のブランドが使われることはよくあることです。なので「スカイベリー」商標をお菓子などの分野で第三者に商標登録されると困ることが多いです。

それに気づいて、文字商標②を出願したのでしょう。文字商標①の出願日の10日後に、文字商標②が出願されています。
第三者に商標登録されなくてよかったですね。商標は早い者勝ちですから。

文字商標②から遅れること約2年、文字商標③が出願されました。
文字商標②と③の「指定商品 第 類」という部分にご注目下さい。
具体的な商品名は異なりますが、「第29類、第30類、第32類、第33類」という部分は文字商標②と③で全く同じです。
例えば文字商標②の第32類で「清涼飲料」などを指定しているので、この時に「飲料用野菜ジュース」も指定しておけばよかった…
文字商標②の第33類で「日本酒」などを指定しているのであれば、この時に「酎ハイ」も指定しておけばよかった…
そうしておけば、文字商標③はいらなかった。
結果論とも思われるかもしれませんが、登録商標をライセンスすることを前提にしているのであれば、「無理のない範囲」で広めに指定商品を設定するのは常套手段です。しかも、「第 類」という部分が共通しているので、その中に含まれる商品名を増やしたからといって特許庁に支払う金額が増えるわけでもない…

ここまでは、弁理士を使わずに出願がされていました。

やっぱり弁理士を使った方がいいと考えたのでしょうか。

一番最近出願された図形商標は弁理士を使って出願されています。
しかし、図形商標の指定商品には、第32類と第33類が含まれていない…
つまり、図形商標はジュースやお酒などの飲料には使えない。
文字商標は飲料にも使えるけど、図形商標は飲料に使えないとなると、混乱しやすくなってしまいますね。

色々述べましたが、詳しい内部事情はわかりませんので、以上は、登録商標の内容からわかる範囲での推察です。