Q.商標の「公報」とは何ですか?

A.「公報」とは、”官庁から一般国民に発表する報告”とされています。
商標に関する公報も同様で、特許庁が一般国民に対して、商標に関する報告を目的として発行するものです。

商標に関連する公報は何種類かありますが、ここでは、代表的な商標に関する公報について、ご説明致します。

公開商標公報

まず1つめが「公開商標公報」です。

公開商標公報は、特許庁に商標登録出願をした後、2週間から20日程で発行されます。
商標出願後2週間から20日程度なので、通常は、まだその商標は商標登録されていません。

つまり、公開商標公報は、”このような商標が特許庁に商標出願されていますよ”ということを、特許庁が国民に知らせるために発行されるものと考えられます。

ですので、公開商標公報には、出願された商標、指定商品・指定役務と区分、商標登録出願人の情報などが掲載されます。

中小企業、個人事業主の方は、なかなか公開商標公報を見る機会がないかもしれませんが、公開商標公報をタイムリーにチェックすると、次のようなメリットがあります。

・自社で使用している商標が他人によって商標登録出願されていないかどうか知ることができる。
・もし自社で使用している商標が他人によって商標登録出願されてしまったら、近い将来、その商標がその他人によって商標登録されてしまう可能性があります。この場合、その時点で、自社の商標を変更して、その他人の商標権を侵害してしまうことを回避したり、「情報提供」という手続を利用して、その他人の商標が商標登録されるのを阻止することを試みることができます。
(「情報提供」は、特許庁に対して、当該商標登録出願には商標登録すべきでない理由があることを証拠等ともに情報を提出して、当該商標登録出願の審査に用いてもらい、商標登録されるのを阻止しようとするための手続です。)

商標公報

次が「商標公報」です。

これは、特許庁の商標審査を経て商標登録された商標に関する情報が掲載された公報です。
商標公報は、商標登録された後、1ケ月程で発行されます。

商標公報は、”このような商標が特許庁に登録された”ということを一般国民に知らせるための公報です。

商標公報をタイムリーにチェックすることで、やはりメリットがあります。
・商標公報に掲載された商標は、すでに商標登録された商標なので、商標権が発生しています。ですので、それと同じような商標を使用してしまうと、当該商標を侵害してしまうおそれがあります。商標権者から警告を受けてしまう前に商標の変更を検討する等、早期に何らかの対策を講じることができます。
・商標登録された商標について、特許庁に商標登録の取消しを求める「登録異議の申立て」という手続があります。
前述の情報提供は、商標登録されてしまうのを事前に阻止するための手続でしたが、異議申立ては、商標登録されてしまった商標の取消しを求める手続です。この異議申立てに関連して、商標公報は非常に重要な意味を持ちます。
異議申立ては、誰でも申立てを行うことができますが、申立てができる期間には定めがあります。それは、商標公報の発行日から2ケ月以内となっています。つまり、商標公報をチェックして、自社のビジネスに都合の悪い商標が登録されたことを確認したら、急いで異議申立てをすべきか検討する必要があります。

公報の意味

以上、商標に関する代表的な公報2種について、その活用方法等をご説明しました。
しかしながら、現実に、中小企業・個人事業主の方が、自社に関連する商品・サービスの分野の公開商標公報・商標公報をくまなくチェックするのは困難であると思われます。

ですので、上記の公報の活用方法を実践するのは現実的ではないかもしれませんが、次のことは是非ともご理解を頂いておいた方が良いと思われます。

冒頭述べましたように、公報は、”官庁から一般国民に発表する報告”です。
一般国民である、中小企業・個人事業主の方が、これらの商標に関する公報、つまり特許庁の報告を見るかどうかは別として、これらの公報に掲載された情報は、誰しもが”見得る”状態にはなります。

商標権を侵害してしまった場合に、”知らなかった”では済まないといわれるのは、1つはこの公報の存在になります。

他人の商標が特許庁に登録された情報は、一応、誰でも商標公報を見ること等で知ることができます。
中小企業・個人事業主であって、事業者である以上、こうした情報を確認して、他人の商標権を侵害しないよう注意を払うべきだという考えがあるため、基本的には”知らなかった”では済まされないのです。

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