Q.商標出願をした後に出願した内容を変更できますか?

A.商標出願をした後に出願した内容を変更することはできるのか?
こうしたご質問を受けることが度々ありますが、内容によりできたり、できなかったりします。
以下、具体的にご説明致します。

商標出願の願書の記載内容

変更したい出願した内容とは、つまり、商標出願の手続で特許庁に提出した商標登録願という願書の記載内容になると思われますので、まずは、この願書の記載内容からご説明します。

願書の主な記載事項は次の通りです。

・商標登録をしたい商標
・指定商品・指定役務(その商標を使用する商品・サービス)
・商標出願人の氏名・名称と住所

商標の変更

商標を出願した後に、その商標を変更することは、一応、手続補正という手続で行うことは可能とされています。
しかし、実際には、出願後に商標を補正することは、ほぼ不可能とお考え頂いた方が良いと思います。

特許庁の「商標審査基準」では、「願書に記載した商標中の付記的部分(例えば、他に自他商品・役務の識別機能を有する部分があり、かつ、自他商品・役務識別機能を有する部分と構成上一体でない部分)に、「JIS」、「JAS」、「プラマーク」、「エコマーク」、「特許」、「実用新案」、「意匠」等の文字、記号若しくは図形又は商品の産地・販売地若しくは役務の提供の場所を表す文字がある場合、これらを削除すること」は、可能とされていますが、これはかなり例外的な事例と思われますので、繰り返しになりますが、原則として、商標出願後に商標を変更することはできないとお考え下さい。

指定商品・指定役務の変更

商標出願後に、その商標を使用する商品・サービスの幅が当初より広がる場合もあるため、商標出願後に指定商品・指定役務を変更したいというニーズは結構あると思われます。

指定商品・指定役務を変更する場合も手続補正で行います。
指定商品・指定役務の補正は、商標の補正よりも柔軟に行うことはできますが、無制限に行うことができる訳ではありません。

指定商品・指定役務の補正は以下の場合であれば行うことができます。

・指定商品・指定役務の範囲を小さくすること
・指定商品・指定役務の誤記を訂正すること
・不明瞭な指定商品・指定役務の記載を明瞭にすること

これらを1つずつご説明します。

指定商品・指定役務の範囲を小さくすること

例えば、元の指定商品が「食器類」となっている場合に、指定商品を「茶碗」に補正するようなケースです。
「食器類」は、「茶碗」を含め、各種の食器類を含む広い意味を持ちますが、これを「茶碗」に補正することは、指定商品の範囲が狭まりますので、こういった指定商品・指定役務の補正は認められます。

指定商品・指定役務の誤記を訂正すること

これは、文字通り、書き損じやタイプミスを修正する場合で、補正が認められます。

不明瞭な指定商品・指定役務の記載を明瞭にすること

弁理士を使わずに、ご自身で商標出願をされた場合や、今までに無かったような新しい商品・サービスを指定商品・指定役務とする場合など、特許庁の審査で指定商品・指定役務の記載が不明瞭と指摘を受けることがあります。
こうした場合に、不明瞭と指摘された指定商品・指定役務を明瞭な記載に補正することは認められています。

指定商品・指定役務の補正ができない場合

以上の3通りの場合に指定商品・指定役務の補正ができます。
これら以外の場合は、指定商品・指定役務の補正が認められませんので、以下のような補正はできないことになります。

・指定商品・指定役務の範囲を変更すること
(例えば、指定商品「菓子」を指定商品「ビール」に補正する場合)

・指定商品・指定役務の範囲を拡大すること
(例えば、指定商品「貨物自動車」を指定商品「自動車」に補正する場合)

したがって、”商標出願後にその商標を使用した商品・サービスの幅が広がる場合”と上で述べましたが、このような場合に、商標出願後に指定商品・指定役務に新たに商品・サービスを付け加える補正は、範囲の拡大になるため、できない、ということになります。
そのため、こうしたケースでは、追加したい商品・サービスを指定商品・指定役務として、別途商標出願をする必要があります。

商標・指定商品・指定役務の補正が制限される理由

これまで見てきましたように、商標出願後に、商標を補正することはほとんど不可能ですし、また、指定商品・指定役務を補正することには制約があります。

なぜ、このように商標や指定商品・指定役務の補正は厳しいのでしょうか?

商標登録の制度は、「先願主義」という考え方がとられています。
先願主義とは、先に商標出願をした者が優先されるということで、同じような商標が複数人からあった場合、先に商標出願を行った方は(その他の商標登録の要件を満たしていれば)商標登録されますが、後から商標出願を行った方は、先の出願の商標と同一又は類似であることを理由として商標登録を受けることができないという意味です。
そのため、商標登録は”早い者勝ち”と言われることがよくあります。

このように商標登録において商標出願日は非常に重要で、商標出願をした後に、商標を変更したり、指定商品・指定役務の範囲を変更・拡大することは、”後出しジャンケン”のようなことになってしまうので、認められないのです。

商標出願人の氏名・名称と住所の変更

商標出願人(商標登録された後は商標権者)の氏名・名称や住所を変更することは認められます。
法人の名称が変わることや、住所を変更することは十分あり得ますので、むしろ正しい情報を登録すべきなので、こうした情報を変更することはできるのです。

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