特許が取れる発明って?

特許が取れる発明というのは、所謂”世紀の大発明”のようなものとお思いではないでしょうか?
もちろん、そのような画期的な発明は、特許になる可能性が高いですが、現実的に、そのような”世紀の大発明”がそうそう頻繁に出てくる訳ではありませんし、実際に特許になる発明は、そのような大発明ばかりではありません。

これ特許取れますか?

特許に関するお問い合わせで多いのが、「このような内容で特許取れますかね?」というものです。

このようなご質問を頂いた場合の私の回答は、いつも「断言できませんが...特許になる可能性もありますし、ならない可能性もあります。」というものです。

ハッキリ言って、答えになっていませんね。

でも、これが正直な答えになります。

間違っても、「これは特許になります。」とか「特許になりません。」とは言えませんし、もし、そう断言するとウソになってしまうためです。

特許庁に特許出願をした発明の全てが特許として認められる訳ではありません。
特許として認められるためには、幾つもある特許の要件をクリアしていなければなりません。

代表的な特許要件は、「新規性」と「進歩性」という要件です。

新規性は、文字通り、特許として認められるためには、今までになかった新しい発明である必要があるという要件です。

進歩性は、簡単に言いますと、先行技術から簡単に思いつくような発明でないという要件です。

つまり、新規性は先行技術と同じ発明でないこと、進歩性は先行技術から簡単に思いつく発明でないこと、という要件です。

ですので、ある発明が特許になるか否か(新規性・進歩性の要件を満たしているか否か)は、先行技術として、どのような発明が存在しているのかを調べてみないことにはわからないのです。

そのため、「特許になりますか?」という質問に対しては、先行技術調査をしていない段階で断定的なお答えはできないということになります。

特許が取れそうな発明のヒント

冒頭で”世紀の大発明”でなくとも特許になり得ると述べました。
では、どのような発明が特許になり得るのか?

簡単な例でご説明します。

Aという工程とBという工程を経て、Cという製品を製造する方法が一般的であるときに、B工程の後にDという工程を介在させると、より良いC'という製品ができあがる場合や、さらにD工程の後にE工程を加えると、さらに素晴らしいC’’という製品ができる場合、D工程やE工程を含む製造方法は特許になり得るということです。

ここで、D工程、E工程は、同業者が簡単に思い浮かばないような工程であることが望ましいです。
しかし、D工程やE工程は、ちょっとした工夫や改善でもよい場合があります。

一方、”世紀の大発明”とは逆で、非常にシンプル・簡単な発明で特許が取れないか?といったご相談を受けることもあります。

当然、先行技術調査をしていない段階では、いくらシンプル・簡単な発明であっても、特許は取れないと断定できないのですが、一般論として、特許が認められるのは難しいと予想できます。

具体的には、例えば、Aという既存製品とBという既存製品が別々にあるところ、AとBをくっ付けてしまって1つのCという物にしてしまうという発明です。

AとBとを単純に組み合わせるだけでは、特許は難しそうです。

このような場合は、次のような発想が必要と考えます。

AとBとを単純に組み合わせてもCには何かと不具合がある。だから、AとBとを組み合わせるために、Dという工夫をしたら不具合のないCができあがったという場合はDをポイントとして特許が取れる可能性が出てきそうです。

まとめ

やや抽象的なご説明になりましたが、要約しますと、

1.”世紀の大発明”でなくても特許になり得る
2.シンプル・簡単な発明の場合、何らかの工夫や改善点(工夫・改善点は多い方が望ましいです。)が必要
3.特許になるか否かは、先行技術との比較による

ということが特許を取るための発明といえます。

無料相談はこちら。

トップページ