商標法第五十二条の二

商標法第五十二条の二は、商標権全体が移転、又は、商標権の一部が分割移転された場合の誤認混同防止のための商標登録の取消しの審判に関する規定です。

第一項


商標権の移転があると、類似関係にある商標権が別々の者に帰属する可能性があります。このような場合には、取引者・需要者等が、商品・役務の出所について誤認混同を生ずるおそれがあり、そのような商標権者の一方に不正競争の目的があるときは、当該商標権者の商標登録を取り消すための審判を何人も請求することができます。
具体的な条文は以下の通りです。

「商標権が移転された結果、同一の商品若しくは役務について使用をする類似の登録商標又は類似の商品若しくは役務について使用をする同一若しくは類似の登録商標に係る商標権が異なつた商標権者に属することとなつた場合において、その一の登録商標に係る商標権者が不正競争の目的で指定商品又は指定役務についての登録商標の使用であつて他の登録商標に係る商標権者、専用使用権者又は通常使用権者の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるものをしたときは、何人も、その商標登録を取り消すことについて審判を請求することができる。 」

第二項

第二項は、商標法第五十一条第二項及び第五十二条の規定を準用しています。
その結果、第一項の審判で商標登録を取り消された商標権者が同様の商標登録をすることは一定期間禁止され、また、第一項の審判の請求については除斥期間が適用されます。
具体的な条文は以下の通りです。

「第五十一条第二項及び前条の規定は、前項の審判に準用する。 」